満足度★★★★
俳優・金田賢一さんの朗読(と歌少し)と作曲家・丸尾めぐみさんの歌とピアノ(とゆかいな楽器いくつか)が織りなす極上空間。もうコンビを組んで10年にもなるという。半年ごとの定期公演と誕生会(今年は7月22日にある)および臨時ものの他、呼ばれれば全国どこへでも出かけるとのことである。
今回は定期公演かつCD発売のリリース・イベントであり、会場は銀座7丁目のビルの7階にある「GINZA Lounge ZERO」というおしゃれなレストラン。12月の定期公演もここらしい。
一般的に朗読には生演奏のBGM付きが多いが、臨時の伴奏であるせいか、あまり調和していないこともしばしばある。この「朗読三昧」の場合はレギュラーなユニットであるので、お二人が対等にステージに責任を持っている。したがって音楽と朗読が邪魔をしあうことは原則的にない。もし音楽が朗読を消してしまったならばそれは彼らが意図したことなのである。
丸尾さんの歌はどのタイミングでもどんな声量でもいかなる調子でもすっと始まり、無理がない。年齢不詳の方であるが、公称は金田さんと同世代とのこと(微笑)。後半はちゃんと衣装を替えてくるというおしゃれさんでもある。
朗読の内容は
・インディアンの酋長からのアメリカ大統領への手紙
・おくのほそ道(の俳句に曲を付けたもの中心)
・いそっぷ詩(イソップ物語にインスパイアされた谷川俊太郎の2016年の作品)からいくつか
・落ち葉になったフレディ
などである。60分+20分休憩+60分であった。
90分前から開場しているので、ゆっくりと食事をとることもできる。入場料の他にワンドリンクが必要で、ちょっと恐れていたのだが、ソフトドリンクは600円と普通であった。
私的には少し泥臭さとか陰りがあると良いのだがそれは無理な注文である。ハッピーな朗読と歌を求める人はぜひ一度行ってみよう。今回の会場は向かい合わせの長テーブルが3列で定員90人くらい。小さな丸テーブルに一人だけよそ者で困るということはない。