連鎖の教室 公演情報 甲斐ファクトリー「連鎖の教室」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

     苛めを扱った作品。
     この問題は、根深い。殊に皆と同一、同質であることを良しとするこの「国」の苛めは陰惨だ。(追記2018.6.3 09:36 華4つ☆)

    ネタバレBOX


     その陰惨を補完しているのが、人間的な尺度で物事を捉えず、世間体や評判で善悪を処断してしまう我ら日本人の傾向だろう。総てはファクトから始めねばならぬ。そして、ヒトが人として存在する為には人倫が守られなければならない。その為の基礎が、罪を背負う姿勢なのである。
    我らは五感で、多くのことを認識する。そして認識を基に、判断を下し、行動する。苛めの問題でことが深刻になるのは、今作でも示されている通り、知って居ながら知らんぷりをすることによってである。だから、今作でも示されているように、苛めを無くす為に一番大切なことは、シカトせず悪いこと悪いこととして指弾し、行動することである。その為には戦わなければならない。時には命の危険を覚悟しなければならないこともあろう。自分が苛めの対象となることも容易に察しが付く。だが、己が人間になる為に、人間であり続ける為には、このような戦いが必要なのは言うまでもない。そしてそれは、非暴力の戦い、ディベートによる戦い、実践による戦いでなければならないのだ。
     ところで、苛めの問題を報復の連鎖として捉え、これをメディアの安易な表現「テロの連鎖」、民族紛争や収奪・被収奪と等値してしまうのは、矢張り違うだろう。少し具体的に考えてみれば、この過ちは誰の目にも明らかだからである。
    一例を挙げればガザのデモに対するイスラエルの攻撃では死者だけで60人以上。日本の新聞は、このように派手な、TVで絵になるようなニュースしか流さない。然しガザが巨大な監獄と形容されるのは今に始まったことではない。西岸でもパレスチナ人の土地が、日々収奪され、テロ対策を名目に作られた延々たる壁は、中東では時に血や金よりも貴重な取水源をパレスチナ人から奪う為だという事実は、多少世界に目を向けている人間の目には余りにも明らかな事象である。
     また、ガザのデモ弾圧での彼我の軍事的力量の圧倒的な差異からも分かるように、力を背景にした軍事占領・収奪と差別、支配は国際法、ジュネーブ条約などでも到底許されることではない。比較するなら、何故このような問題が、こんなにも長く続いているのかについて、イスラエルに住むシオニストや、彼らの政策を支持するイスラエル国籍の人々のだんまりをも描くことで示して頂ければ幸いである。
     しっかりした作品を創ることのできる力量のある劇団と観た。いつかこのような問題にもチャレンジして欲しい。

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    2018/06/03 03:29

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  •  色々、考えさせられる作品でした。これからも質の高い作品を創り続けて下さい。
    この作品を拝見できて嬉しく思います。
                                 ハンダラ 拝

    2018/06/03 09:37

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