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はこぶね
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劇団おおたけ産業「
はこぶね
」の観てきた!クチコミとコメント
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ハンダラ(10492)
満足度
★★★★
Bチームを拝見。(華4つ☆)
ネタバレBOX
旧約聖書に出てくるノアの方舟と絡めて、神の声らしきものが聞こえるようになった引き籠りの弟・タロウは、魂の形状も見て取れ、その形状から前世のことが分かるということで、信者が生まれてきた。
熱心に魂の浄化を求める者・瀬村(ミシュマル)は、そのストイシズムによって世界を裁断し、周囲との人間関係を緊張させている。一方、現実に生活能力の乏しいメシア(グル)を頂点として、このままでは滅亡してしまう世界を救済する為には信者たちがガーディアンとなって彼の生活を支えるべきだと考える者・烏丸は、魂の浄化を通して自他の関係を改め世界変革に一石を投じようとする宗教のようなこの精神活動を、一種の経営理念の下に政治的に変質させ組織化してゆこうとする。また在る者・八幡(ヤヌーカ)は、インドへの旅で放浪の持つ本質、生きながらの死を通じて精神世界へ旅立ってきた者として独自のスタンスを保っている。またストイックに精神世界を追及するミシュマルの目付け役として参加したものの、ミイラ取り変じてミイラとなった浜(ピンケサン)、そしてタロウの面倒をみている姉(ハナコ)、自分が子供の頃から繰り返し見る夢とタロウの見立てが合致したことから前世の話に興味を持ち、傍目からはデートと看做されるような付き合いになりながら、タロウはあくまで友達と考える女(鳩山)と既に信者となっている者達との齟齬や彼女を連れて来た張本人である烏丸の嫉妬を通して紡がれてゆく物語は、緩やかな紐帯によって平和と安穏に満たされていたエデンの園に知恵が毒を注いだように、烏丸が方法的・政治的組織制覇を目指すことによって生まれた他メンバーとの距離感やよそよそしさ、ざらつく苛立たしさと烏丸の鳩山への嫉妬、タロウの鳩山への片恋という感情が崩壊を齎してゆく過程を描いて秀逸。ラストへの飛躍に必然性を感じられないことが残念である。このラスト部分は自分にとっては余分であった。日本の伝統的詩歌の形式として用いられる返歌のような効果を狙っているのであれば、もう一捻り工夫が欲しい。登場人物たちが、物語の進展に応じて衣装をキチンと変えてくる丁寧な作りもグー。
注:信者たちの名の横についている()内の名は、タロウが信者たちに与えたホーリーネームである。
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2018/05/29 12:13
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