iaku演劇作品集 公演情報 iaku「iaku演劇作品集」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ここの所、若い劇団でも「家族」がテーマの作品が多くなったのはと、今時代の中心にいる30歳から40歳の人々が大きな関心を寄せているからであろう。この「粛々と運針」はなかでも至れり尽くせりの秀作だ。この世代が直面する夫婦と子供の問題、親たちを見送る必然、地域社会のあり方、三つのテーマを二人づつ三組の会話劇で構成している。その内容は格別新しいことはなく、橋田ドラマや向田ドラマが散々扱ったテレビ・レベルの話題なのだが、それを、現代向きにアレンジしてあるのがうまい。テレビレベルと言うのもそれだけ普遍的な問題を扱っているわけで、誰が見ても面白い。構成も、台詞もシャレていて、わざとらしくなく、舞台の魅力にあふれている。今風で、見ていて気持ちがいい。
    会話劇だから役者も、うまくないとつまらないのだが、今回のキャストはなかなか素敵だった。変に悪ずれもしていないが達者でツボを心得ている。演出と息があっているのだろう。この作者ここの所評判がいいが、あまり急がずに、いい仕事を選んで、次第に劇場のスケールも上げて、多くの観客に接するような活動を祈っている。実力は充分である。

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    2018/05/28 16:40

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