満足度★★★★
鑑賞日2018/05/20 (日) 14:00
価格3,200円
終盤で各人の不満(?)が一気に噴出した時の居心地の悪さたるや!
口々に「自分のせいじゃないもんね」と言い逃れをする人物たちにかつて自分が不都合な状況に直面した時の記憶を呼び起こされて「七人の侍」の菊千代の如く「これは、オレだぁ!」だったもんなぁ。
映画「ポセイドン・アドベンチャー」にアーネスト・ボーグナイン演ずる刑事に「アンタを見ていると腹が立つのは何故だろう」と言われたジーン・ハックマン演ずる牧師が「自分を見ているようだからじゃないか、誰しも自分を見るのは嫌なものさ」と返す場面があったが、それとも通ずるのではないか?
そうして、そんな風に責任を逃れようとするのはいかにも日本的な気もして、ある意味本作は笑いのない「12人の優しい日本人」かとも思ったり。
またその言い逃れ合戦の直前の舞台上の構図がイイ。8人がほぼ等間隔に位置して背中を向けて顔だけ振り向いたり顔を背けたり椅子に寝そべって不貞腐れたりと、それぞれ逃げたい気持ちを体現していて、それはまるでダ・ヴィンチの「最後の晩餐」の如し。