満足度★★★★★
鑑賞日2018/05/19 (土) 12:00
よかった、すばらしいお芝居。生ジャズ歌舞伎であるがジャズ蕎麦屋があるように古典との相性は悪くない。好き好きではあるが。
歌舞伎も娑翁(字が違うか?)も過去の人物と意識がつながるのがうれしい。思いっきり現代人のツボをついた脚本。後半の島流しは意識がそれて集中力切れたが・・・わざととも思うが世話物の流れが断ち切られちょっとどうかな。ラストは美しく泣かんばかりに共感。そうか、切られの傷は顔や体の傷ではなく心の傷だったのか。
すべて生きている人は心の傷を抱えて増えていく心の傷の分だけ強くなり過去を懐かしみそしてやがて死ぬ。与三郎が現代人すべてとつながるすばらしいお芝居。見られて幸福、見なきゃ損。記憶の奥底の何かが起き上がる梅雨前のこの季節にぴたりと嵌る絶品。