満足度★★★★★
『ぼんやりした話/セプテンバー』
せっかくオムニバス企画公演をするなら、この機会に振り切った作品がしたい!
そんな思いが伝わる不条理を遊び倒した様な作品。
いい出汁がいっぱい出そうな役者さんの旨味がよく出ていて楽しめました。
「う~ん」といった感じのお客さんと、思わず笑ってしまうお客さんとがいらっしゃいましたが私は後者。
「何じゃそりゃ」「そこスルーかよッ!」脳内でツッコミまくっていました。
『Re:』
役者さんの瞬発力が生かされていた作品で、こちらも実験的な作風。
後半もうひと工夫欲しい気もしましたが、世知辛い社会に対してのメッセージは大いに共感でき、じんわり沁みてきました。
『カラオケの夜』
前2作とガラッと変わって超リアルな二人芝居。
男女の機微が何気ない会話や所作だけでビシバシ伝わってきて思わず感動。
まだ若い役者さんなのに職人芸の様な味わい深さで、最後に根こそぎもっていったなーと。
どう考えても実体験が存在していなければ描けないであろう血の通った切なさでした。
全編を通じて「巧いなー」と感じたのですが、前2編がタイプかどうかで全体の印象が大きく変わってくるのかも。と前に掲載されているレビューを拝見していて思いました。