満足度★★★★
鑑賞日2017/08/23 (水) 19:00
前半が冗長であまり活きていない部分があったり(例:劇団関連の部分)一部の展開(対立・和解・殺意など)が唐突だったりする一方、原典の再構成の仕方やそれによって想起するものなどが面白く、冒頭部分とリンクさせて求婚の言葉通りに最期を迎える二人という幕切れが鮮やか。
原典である東海道四谷怪談の伊右衛門は心の弱さもありつつ基本的には「悪漢/ピカレスク」な印象だが、本作の登場人物は時には悪になるものの、基本的には故意・悪意がないので物足りないような気も。あの内容・精神を現代に不自然でなく持ってくるとそうならざるを得ないのか?
一方、伊右衛門・お岩の二人の役割を複数の人物に振り分けたことで犯罪臭が薄れむしろ悲劇の色合いになってあれこれ想起するようになったのは面白い。
主人公姉妹は悲劇的な結末を迎えるが、姉の方にはかすかな沙翁的なもの、妹の方にはかなりのギリシャ悲劇的なものを感じた。脚本を執筆した有田主宰によれば特に意識した訳ではないとのことだったが、悲劇のルーツがあのあたりということか?
X-QUESTの荻窪さんが、演技に取り入れている「あること」を探すのも一興?(笑) σ(^-^)は2つ気付いたけれど、そんなものやあんなものは残念ながら気付かず……