満足度★★★★
鑑賞日2018/04/13 (金) 18:30
座席1階1列
過去2回、当劇団の存在を知ってから観たいと思ったのに、日程が合わずに断念。
ミステリー専門の劇団ということで、好事家特有の興味がありました。
でも1公演が3日間という制限は厳しい。そして、ようやく今回の観劇となりました。
「みかんの部屋」
トマは「罠」で知っているのだけれど、この作品は全く知らない。
ただ、「罠」の面白さから推測するに、外れはないよな、という思いがありました。
全6話の短編から構成され、3話ずつ休憩を挟んで上演されます。
実のところ、船堀を拠点に活動する地元劇団ということで、チケット価格も安いし、問合せ時の対応もよいし、好印象なのですが、何かサークル活動の延長線かなという感じで(そうした劇団も多いことに違いはないのですが)あまり芝居自体は期待はしておりませんでした。
しかし、舞台装置もきちんとしているし、会場も公共施設としては手ごろで快適。
全体的に、いい雰囲気なのです。
1話目は、妻と夫に駆け落ちされた2人の男女が、みかんの部屋と言われる(みかんの絵が飾られている部屋)ホテルの27号室で、今後の復讐についてやりとりをします。
しかし舞台が始まった際に、予感は当たったかなと思いました。
フロアを仕切るボーイ長の方のセリフの歯切れが悪い。来客の男性の演技が(悲嘆を上げる)どうも拙い。彼を追いかけてくる女性の演技がオーバーで落ち着きがない。
オチとしては、中々ブラックで面白いのですが、これは予想のレベルかな、と納得。
2話目は、銀行強盗の仲間割れの話。芝居としてはとても安心して観られましたが、通り一遍の愛憎劇で、こちらは話が面白くない。
と、ここまでは、こんなものかな、と思いましたが、、、、
いやあ、3話目からは、面白いのなんの。
橘さんのメイドの登場でメリハリが出たのと、甲斐さんの花が備わったからかしら。
3話目は、導入から嫌な感じの話(間男の話)で、夫役の行動が???でストーリー進行も何なのこれ、という感じでいたが、ラストのオチが秀逸。全ての不自然さを回収します。フランスの話だよねえ、と妙に納得。
4話目は、叔父から多額の遺産を相続して、田舎から出てきた女性の話。
支配人役は、ちょっともたつき気味でしたが、主演の女性は軽快に話を進めていきます。実はこの女性は、、、というお話。
5話目は、残酷なまでの悲劇。夫を殺した女性が5年の刑期を経て、刑務所から出てくると、愛する男性の出迎えもなく、、、そして、というお話。ラスト間近では、観客もおいおいおい、となります。
6話目はかなり倒錯した話。神父と娼婦のホテルの一室での話。話の入り口から予定調和を期待すると、かなり外されまくります。終盤、甲斐さんの生○○えでの話の転換が絶妙なニュアンスとなっています。
休憩時の紅茶もおいしかったですし。
ちょっと侮ってしまってごめんなさい。
大変、面白うございました。
また観に行きます。(船堀って、船橋住まいの私にとっては近くて便利!助かります)