殺しのリハーサル 公演情報 PureMarry「殺しのリハーサル」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2018/04/12 (木) 19:00

    座席1階12列7番

    いやあ、本当に見ごたえありましたね。
    やはり、レビンソン&リンクの作品、未見なれば見なくてはなるまいというのが、「コロンボ」で育った、現60~50歳代。

    山口馬木也さん、月船さららさんの芝居は、結構観ているけれど、いやあ、本当に芝居達者なのねえ。こうしたミステリー劇は、安楽椅子型の純粋推理では劇が成立しないので、どういう形でフェイクを放ち、どんでん返しに持っていくかが見どころになります。役者が演じる役が、何かをまた演じるといった二重構造になる。
    つまり、演技の中で演技をしているということなので、その演じている役と素の役とのバランスのとり方(ある意味、ギャップ)をどう演じ分けるかということが重要になる。「なーんちゃって」的な部分なんだけれど、これを明確に意識して演じながら、客をも騙す役柄の一貫性を保つといったところが、舞台成功のカギだと思っている。
    今回の舞台では、その辺りの演技力が役者さん皆にあり、大変感心した。

    ラストは、いかにもレビンソン&リンクらしい仕掛けで終焉するところは期待通り。
    その上、「刑事コロンボのテーマ」(正確には「NBCミステリー・ムービー」というらしい)がかけられては、まいったまいった。

    ただ、残念なのは、後列で結構、空席が目立ったこと。
    これくらい面白いのにもったいない。先日の全労災ホールで上演された「鎮魂歌」が、結構な入りだったので、ちょっと意外な気がした。
    これ、チケット代のせいかな。正直、価格を見たとき、ちょっと躊躇したのは事実だし。ドストエフスキーの翻案と違い、著作権の取得にお金がかかったすれば、芝居好き、コロンボ好きの方々には、残念なことだな。

    ネタバレBOX

    内容及び雰囲気としては、ロベール・トマの「罠」(全員で芝居を打ち、犯人の自供を引き出すというところ)と、J・B・プリーストリーの「夜の来訪者」(登場人物の過去暴きの経緯と偽警部の件)を意識して作ったような気もする。

    偽警部の件が早々にバレることを多少怪訝に思ったのだけれど、周到な犯人当ての筋立てだと判ると納得。犯人からライターを何気に取り上げておくのも、芸が細かい。
    物語の前半で、被害者が婚約者の脚本家にあることを確認する会話も、伏線としてとても活きている。(この会話も、犯人当てのヒントだ)

    ただ、犯行に至る動機や経緯は、ちょっと弱かったかな。
    殺害には偶然性があったとしても、それに至るまでの犯人と被害者の関係は、それほど深刻な事柄には思えないし。

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    2018/04/13 07:33

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