満足度★★★★★
(遅ればせながら)この舞台を一言でいうなら、「当たり前のことが産み出す感動」とでも言うのだろうか?台詞も、組み込まれているエピソードも、決して目新しいものではない。
むしろ定番的な内容が多い。その使い古されたものを、脚本の上手さか?演出の腕か?役者の演技力の賜物か?使い古されたものが、各ピースの組み合わせで、違う光を放つように感じられた。みんなが可哀そうと同調するだけではなく、反論・否定・逆転して答えを導き出す。それが説得力を上げて、観る側の心に響くものになったのではと思う。
コメディ八割・涙二割という事だが、この二割が半端なく大きく残る作品であった。
“当たり前”誰もが傷の一つや二つ、悲しみや後悔を抱えて暮らしている。誰もがごく普通に生きているように見えて、心の中に沈み込んでいるものがある。それでも、前さえ向いていれば、それを越えて生きていけるんだよ、というメッセージ。ありふれたセリフのそれぞれに共感した観客は少なくないと思う。
ちなみにわたし的には
“親だって、自信なんかない。だけど頑張ってるんだ!”
この前辺りからじんわり涙腺が刺激されておりました。
“はいはい!母は頑張ってるんですよぉ!”
心の中で答えた私がおりました。