正しい顔面のイジり方 公演情報 スマッシュルームズ「正しい顔面のイジり方」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    チラシの説明_欲望のままに生きる罪深き女の逃亡生活。整形を繰り返しては男を手玉に取り、嘘を塗り重ねていく_から当日パンフに書かれている、ある事件を連想するが…。もちろんフィクションであり、1人の女性が逞しく、強かに生きる様を分かり易く描いた物語。1人の女を違う観点で多角的に観せるため、舞台セットに工夫が凝らされている。
    (上演時間1時間45分)

    ネタバレBOX

    舞台セットは、セット中央にランウェイのような一段高い場所を設け、そこにBox4つ。上手・下手側に役者が座る(その場所は変わる)箱馬が置かれている。後ろ正面は収納Box棚のような壁面。演じる時以外は、両側の箱馬で待機し、第三者的立場もしくは俯瞰している感じだ。

    梗概…5人の女が1人の女を描く、言い方を変えれば1人の女が生き延びるために色々な人生を経験する。その特異な生き様を先の舞台セットや演出でしっかり描き出す。本人_主婦・福田和子が殺人事件を起こし、逃亡生活を送ることになる。スナックのバイト、和菓子屋の若奥様、ラブホテルの従業員、保険外交員で寿司屋の常連客と姿を変えての逃亡劇。指名手配書(世間)を欺くため整形手術を繰り返し、男を手玉に取り嘘の上塗りをする。

    当日配付された作・演出の中山純平氏の挨拶文にもあるとおり、「松山ホステス殺人事件」を元にしている。劇中では「整形は人生を謳歌するもの」と嘯く。
    逃亡劇は必ずしも時の経過に沿って順々と展開する訳ではない。立場や暮らし、その時々の状況の変化に応じた女の強かさを印象付けるため、敢えてセットは作り込まずシンプルなものにしている。固定した舞台セットにすれば情景もそれに捉われ、時の経過や女の逃亡生活が浮き上がってこない。場面転換の容易さが、時々の女の逃亡生活_時間を行き来させ重層させ、テンポ良く観せるなどセットと演出を連携させる工夫は見事。

    気になったのが、主人公・福田和子が逃亡期間(時間)中に子供と電話で会話をするが、逃亡期間と子の成長と辻褄が合っていたのか。もう1つは、目立つことを嫌い日陰者でいたいと自分で言いつつ、(地域)カラオケ大会へ出場するというある種の矛盾した行動が…。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2018/04/04 16:33

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