パイパー 公演情報 NODA・MAP「パイパー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ホラの説得。
    野田地図の新作というのは実は初めての経験。
    賛否両論の噂が飛び交う中、コクーンのシートに座した。

    野田がスケールの大きな物語を志向していることは、よく知られている。
    だから、SF作品が今回初めてであるというのが意外なくらいである。
    物語の話者が大きなホラを吹けば吹くほど面白い。
    本作が、野田の信念に適った作品であることに違いはないだろう。

    気になる点。
    物語の進み方に、どうやって嘘をつこうかという手探りが見える。
    結果として、たまたま今回の物語の着地点があっただけで、
    別の着地点だって大いに考える余地がある雰囲気がある。
    このクロニクルは、本当にあやふやな上で立っているのだ。
    そのホラに説得されるのかどうか。観客は試されている。

    主演陣・アンサンブルともに特に話すことはない。
    まっすぐにホラに対して献身していたというだけのことである。
    それだけで十二分な仕事であろう。
    ただ一点だけ。
    大倉孝二が大変な働きをしていることを忘れてはならない。
    狂言回しと道化の両立をこれほどまでに器用にこなす人はいない。
    カッコイイ。

    ネタバレBOX

    状況は違うものの『ひかりごけ』が思い起こされた。

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    2009/02/23 22:45

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