トワイライツ 公演情報 モダンスイマーズ「トワイライツ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    設定の害悪。
    今まで未見だったモダンスイマーズを岸田賞受賞後に初観劇。
    何の印象も持たずに観劇に臨んだ。

    繰り返される恋愛人生にひとつふたつのスパイスを注入。
    なるほど、ダークな印象の恋愛ファンタジーだ。

    ただし、巧妙な設定だからこそステロタイプの人物しか出せない。
    だからこそ、起こる事実全てが薄っぺらに感じられる。
    二律背反というか、矛盾を抱えた舞台であったように思う。

    客演の鶴田真由の山本亨の好演が光る。
    この2人だけはステロタイプとは外れた部分にある(あらざるを得ない)。

    次回作に判断を仰ぎたい。

    ネタバレBOX

    珍しくあらすじを書いておく。
    あらすじはもちろんのこと、その後の文章についても、
    ネタバレを避ける方は、絶対に読まれぬよう。

    ---あらすじ---

    主人公(名前は同じだが性格は違う)に3度の人生を経験させる。
    失敗の後、別の主人公が夢から覚める。
    それを教訓に新たな人生を展開する。
    そして、また失敗し、また別の主人公が夢から覚める。

    言ってしまえば、マルチバッドエンディングの恋愛ゲームだ。
    どの人生においても、お隣のお姉さんを幸せにすることは叶わない。

    最後に、お姉さんの義理の兄が夢から覚める。
    主人公の3回繰り返される恋愛人生を夢として見てしまったのだ。

    ここで失敗する恋愛人生の謎が明かされる。
    それは、お姉さんが、義理の兄と結ばれることを望んでいたからだ。
    だから、結果として主人公とは巧くいかない。
    兄はタブーを犯さぬため、粗暴な兄として振舞うようになる。
    (つまり、兄が粗暴な理由をここで観客は知ることとなる)
    それが、3回の主人公の人生に粘着質に絡み合うのだ。

    ---あらすじここまで---

    設定に工夫がある点は、素直に評価したい。
    別のことを書かせれば、岸田賞を獲るのかも知れないなぁとも思う。

    少し無理を感じるのは、義理の兄に夢を見させたという部分だ。
    巧いやり方であるとは思えないし、妹の兄への想いが、
    取ってつけた印象すら感じられ、要するに設定で片付けている。
    ロジックの粗さが、この着地点を軽いものにしているのだ。

    少なくとも本作を観て、岸田賞受賞に納得できるものではない。

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    2009/02/23 22:43

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