満足度★★★★
まだ誕生間もない雷ストレンジャーズだが、過去演目から戯曲チョイスの傾向に気付く。欧州産の強い自我がなぞる人間の苦悩や滑稽を、普遍的言語にしきる強い作家的意志が立ち上る舞台。言語化されたそれは赤裸々な人間告発にもなっている。
今回で3度目になる雷観劇で、通して印象づけられるのが(戯曲チョイスに並び)俳優の演技、発声のある傾向。動作とともに発語させ、発語=行為である事を徹底させる「負荷」による役者の四苦八苦が、「噛み」や声量アンバランスにも表れたかと推察したが果たしてどうか。ある種の独特な統一感が魅力ではあるが、雷の本領とする所はこの先もっと見えてくるのではないかと、静かに期待している。