勧進帳 公演情報 木ノ下歌舞伎「勧進帳」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    杉原邦生演出版「黒塚」がキノカブ初体験の私は、「勧進帳」がその原型だったと発見。さりげなく現代の風俗・風物をしのばせた登場(即ち衣裳、言葉遣いなど)から、切なく歌い上げるラップ入りラブソングまで、趣向を盛り込みながらも「勧進帳」の読み直しを貫徹させる。その事によって逆に原作に忠実たらんとする誠実さが滲み出てくる。時代を現代に見たり義経の生きた当時に見たり自在に軸足を変える事のできる仕掛けは、主要人物以外が敵味方(義経側、頼朝側)双方の家来役を演じる形態や、弁慶役の外国人俳優が片言で関西弁を喋る面白みなど。それによって俳優は「媒介者」と位置づけられ、観客が能動的に想像力を使うべく誘導されていた。
    感情の高まりがストレートに伝わり、ずっこけたりしながら物語に乗り、結末へと連れて行かれた。最近の私には珍しく睡魔が一瞬も訪れなかった(だから何だという話だが)。

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    2018/03/17 06:44

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