尊厳の仕草は弔いの朝に 公演情報 劇想からまわりえっちゃん「尊厳の仕草は弔いの朝に」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2018/03/15 (木) 18:30

    まずは上演時間が3時間弱と知って二の足を踏んでいる方々へ。
    こわくないこわくない……いや、長くない長くない、ですよ。前半(90分)は完全に娯楽重視で、10分間の休憩を挟んだ後のシリアス気味の完結編が70分強という構成と時間配分が体感的に短く感じさせるのかも。

    さて本論。前半のマンガチックな西部劇が後半のシリアス系の現代劇とどう繋がるの?と思いながら観ていたが「もしや前半は後半の物語のスピンオフ……いや壮大な序章?」な関係が示され、しかしそれだけにとどまらず物語が進むにつれて次第に繋がりが密接になり最終的に融合してゆく構造が鮮やか。
    前半の終わり際=休憩の前に後半のイントロになる部分を見せるのも、休憩によって流れが途切れることを回避する妙案。

    表現方法に惑星ピスタチオ(系)やひげ太夫に通ずるものがあるので、そっち系がお好きな方にもオススメ。偶然だろうが、ひげ太夫ではお約束的にほぼ毎回出てくるセリフのやりとりと同パターンのやりとりがあり、ひげ太夫ファンとして頬が緩んだりも。
    通ずると言えば後半部分ではこの少し前に観たガレキの太鼓「地上10センチ」も想起。

    前半は「1864年の話なのに主な銃の銃身がパイソンっぽいじゃねーか」「リボルバーで何発撃ってるんだよ」などとツッ込むのが野暮なほどマンガチックで時々劇画調な印象を受けたが、スゴい(謎)のはそう思わせた創る側かそう思ったσ(^-^)か?(笑)

    つらつら思い返すと粗い部分もいくつかあるが、10年前にこれを書いたことと、何より異質な2つの物語を融合させたアイデアを評価したい。(何かエラソーだがちょっとした逃げだ(爆))

    なお、アマヤドリ・中野智恵梨さんの女子っぽさ(二通り)とピヨピヨレボリューション・macoさんのアクション(ダンスは言わずもがな)も見どころ。

    ネタバレBOX

    前半の西部劇が、後半で亡くなった人物が少年時代に書いていたマンガであると明かされた時は小松左京「日本沈没」の成立過程を思い出した。
    あれは元々は島国であるがゆえに永きにわたって安泰だった日本民族が、日本列島という国土を失って世界各国に難民として散らばった姿を書きたかったが、列島をなくすための理論を構築してその過程を書いたらそれだけで1つの長編小説になってしまったそうで、本作もそのマンガ部分を描いたら1本の芝居になってしまったのかと思ったのだった。
    しかしそれがまさかあんな風になるとは……(ネタバレboxとはいえ自粛)

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    2018/03/16 11:45

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