満足度★★★
初めて観る団体だったが、かつてのガジラファンだったのと、前回の公演の口コミが好評だったのとで期待値が高かった。
ウェルカムな心持ちで観ていたはずなのだが、学生が帰る辺りから足りないものを埋めながら観ている自分に気づき始め、次男の登場で若干盛り返すものの、全体的に求心力、軸を欠いているように感じた。
座学、ディベート、演出などが不足しているのか、熱量そのものが目的化しているかのようで、台詞が刺さりきらないのが気になった。
渡しきらずに諦めを漂わせてしまうとやり取りが重くなる。
敢えて行き詰まった感を選んだのだとしたらあまり賛成出来ない。
NHKでカラー処理された戦後の群衆の映像を見た時、当たり前なのだけれどその「リアルさ」に衝撃を受けたのを思い出す。そこには悲壮感より命のしぶとさ、逞しさすら感じた。
暗さ、湿度的なものが全体を覆ってしまったせいか、演者の身体も語らず、ストレートな内容なのに悪い意味で状況が分からない瞬間が散見された。
期待値が高いがゆえにネガなコメントが並んでしまったけれど、さらに発展させ、媚びずに独自性を追究してくれることを期待したい。