満足度★★★★★
鑑賞日2018/02/20 (火)
2002年に福岡県久留米市で実際に起こった看護士4人による保険金連続殺人事件をモチーフにした舞台です。
作は大竹野正典氏、演出は瀬戸山美咲氏です。
仲の良い看護師4人、他愛ない会話に悩み相談とどこにでもある女たちの付き合い・・・・だけど、彼女たちには深く依存しあっている感じがあります。そして、観ているうちにヨシダ(松永玲子さん)の巧みな支配と彼女の持つ闇がじわじわと辺りに広がるのを感じるのです。松永さんのちょっとした目つき、話しぶり・・・この人何?とずっと目が離せない。怖くて、凄いよ、松永さん。(;°皿°)
彼女の本質を知りながら、彼女の保護者のような気持ちを持つツツミ(松本紀保さん)の持つ闇はなんだろう・・・と考えると、自分の存在感を確かめるために、ヨシダを理解したつもりになり、協力していることに自己満足してる。このツツミの存在が無かったら、ヨシダの闇はそこまで深くならなかったかも・・・と考える。闇が闇を呼んで、深さを増した。
この二人の闇に取り込まれたイケガミ(安藤正恵さん)、疑うことをしない、流される・・・。
そして、最後に彼女たちの闇に飲み込まれていくイシイ(高橋由美子さん)の躊躇と追い詰められていく様子に苦しくなるし、この苦しみから早く解放して欲しいと安易に流されるかも・・・・・と、自分の中の闇をちょっと見る。
彼女たちの現実の重石となる男たち正岡泰志さん、成清正紀さん、井上幸太郎さんのゲスッぷりがお見事でした。
藤田びんさんとツツミのやり取りが、彼女の闇の深さを強調した気がします。
コの字型の客席、四角く作られた台、ずっと薄暗い照明・・・客席にいて、どんどん闇が深くなっていくようで、怖かったです。
でも、時間があったら、もう一度観てみたい舞台でした。
もう一度、せりふの一つ、一つ、役者さんひとり、ひとりの表情、目を噛み締めてみたいと思いました。
素晴らしい舞台でした。
ありがとうございました