満足度★★★★★
ワーニャおじさん
「永遠」。この作品にはこの言葉が本当によく似合う。100年以上前の、しかも違う国の人間の話なのに、現代を生きる僕達の心の底に痛切に響き渡ってくるのはいったいなぜだろう。僕達が日々忙しく生活する中で見失っているもの、ないことにして、見過ごしているものなのかもしれない。この演目を見るのは、3回目だが、見るたびに、登場人物に対する共感が、どんどん広く、そして深くなりつつあることを感じる。これから先を生きる人間のために、何ができるのだろうと考えるのだけれど、あまりにちっぽけな自分に気づいて切なくなってしまう。ああ、僕も人間なんだなあ、と。時代を超えて、永遠に変わらないものってなんだろう。そんなものを求める人には、ぜひ見て欲しい演目。