真実 公演情報 文学座「真実」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★


    情報が本当か、嘘か、ものごとを知ることによって人生は大きく左右される。だが、芝居のネタとしては、シェイクスピア、歌舞伎の昔から、いやいやギリシャの昔から「知らなかった!」ことが軸になっている作品は多い。おなじみのネタなのだ。
    世界各地で上演されているフランスの若い人気作家セザールの「真実」は、嘘が転がって真実に行きつく喜劇だ。日本初演。
    真実の素材は、フランス演劇お好みの男女の不倫。お互いが長年知り合っている二組の夫婦の不倫は、もちろん他に知られたくない事実だから、露見しそうになれば嘘を吐く。嘘の内容もさることながら、嘘を吐く相手や、その時の擦れ違いが次々に新たな事態を招く。その過程では真実も現れ、嘘も真実も、隠さなければならないという条件と相まって、収拾がつかなくなる。そのすれ違いを若い作家は超絶技巧でコメディに仕上げている。さすが不倫の本場だけあって、事態への対処の仕方もオトナでもあり、笑っているうちに「真実だけの夫婦なんて世界中探してもない」と納得する。
    フランスで大人気、ウエストエンドでも大当たりと言うから、日本ではさしずめ三谷幸喜と言ったところだろう。ともに、笑劇を笑いだけに終わらせず、ちょっと人生の苦味を含ませるところも似ている。(タイトルの大げさなところも)。
    文学座の85周年記念公演で二組のキャストが組まれている。
    ボルドー組は渡辺徹が巻き込まれの主人公。文学座らしい品のいい舞台つくりだが、このホン、最近の風潮でもっと広いキャスティングをしたらクリエくらいまでならいけるのではないか。二人の女優にはない物ねだりだが、オンナの肉感が欲しいのである。

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    2018/02/28 10:30

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