満足度★★★★
鑑賞日2018/02/21 (水) 19:30
座席1階1列
鬼の居ぬ間には「土蜘蛛」以来の2度目の観劇。「土蜘蛛」が時間軸を交錯させて、人間関係を逆転させたり、そこに伏線を盛り込んだりして、かなり複雑な構成をしていたことと比較すると、この物語はかなりストレート。
このストレートにさは、作者が長く温めていたタイトル「死せる花嫁」に込められた念のようなものが反映されているような気がしてならない。
捻りがない、という評価もあろうが、むしろこの捻りのなさでぐいぐい引っ張っていく力強さは尋常ではないと思う。
冒頭の生贄にされる女性と一緒に、盗んできた人魚の肉を食べ、400年の命(1切れで800年生きたという伝説から、半分ずつ食べて400年)を近いあう主人公。このシーンは見事なまでに美しい。ストレートに予見される悲劇が、このときの2人の会話を神々しくさせている。