満足度★★★
鑑賞日2018/02/23 (金) 19:00
座席1階K列5番
フライヤーの魅力がすごくて(王子一帯は、このフライヤーとポスターまみれで、まさに北区ピヨピヨ状態)、とにかく観ねばなるまいと思い、足を運びました。タイトルの簡潔さも、とても好感触。
内容としては、かなりつらい物語。セクハラによる内面葛藤劇なので、時宜を得ているのでしょうが、どうしても主人公のめぐみに感情移入ができないので、今一つ消化不良。
この感情移入ができない理由は、彼女がタカビーだからではなく、彼女があまりに周囲の人間に愛されすぎているというところにあると思う。
めぐみに疫病神が生まれ(憑つく)、酒に溺れ周囲の人間を傷つけていく、それを克服していく姿勢に共感を持つ向きもあろうが、それは観客の立場でこそ持てるもので、実際に彼女の周辺では、暴言・愚行に辟易する向きが大半であるはずだ。
その孤独を掘り下げずに、皆、彼女のことが好きだった、彼女の価値を再発見した、というところにまとめられると、ちょっとなんだかなあ、という気がしてくる。
彼女は被害者であることで、当然に同情され励まされる立場だとは思うけれど、何分、導入部で語られるように、タカビーで自意識過剰な女性なのだ。彼女をもともと嫌いという人が多くいて当然。むしろ、彼女の破綻への道筋を喜ぶ風潮があってしかるべきではないか。
自分自身について、周囲の人間にインタビューを試み、それをきっかけに再生を図るのだけれど、それほどまでに自分が好きなんかい!とつい、ツッコミを入れたくなってしまう。
彼女自身が疫病神になるきっかけを、別のテーマで構成させ(その性格に全ての原因を持たせてもよかったのでは)、そのままあの歌とダンスでいったらどれだけ、すっきりしたかな、と思う。あるいは、徹底的に嫌な奴を貫くとか。
ピヨピヨは初観劇なので、この劇団について知らないことばかりで申し訳ないけれど、ちょっと消化不良でした。もっと、歌とダンスに振り幅を大きくして、ハンドレスマイクでミュージカル的な構成にしたらよかったのに、と思う。
テーマ重くない?というのが、どうしてもついてきてしまって、すんなり歌やダンスが楽しめなっかたのが、むしろひどく残念。でも、とても好きな劇団が、また1つできました。
また観に行きます。