満足度★★★★
池袋もいいですよ!!
観劇させて頂きました。この作品は、どこかの日常生活にあるだろう、と思えるような話を物語にした作品でした。自分には、この作品は非常に肌に合います!極めて日常的な話しがたんたんと進行し、淡白にも感じてしまうかもしれない台詞表現のリズム感・・・何かが起こっているようでも、実際は流れにすっかり身を任せて、起きるべきことが起き、そして、そのまままた流れに身を任せることで、これから起きるであろう想像のつくこともまた受け入れて過ごしていく毎日、そんな当たり前の特別な変化があるわけでは無い日常を描いた作品でした。この作品は、ひょっとしたらまだまだ夢があり体力の有り余っている若い方が観劇されたら、ほとんど何も起きないに等しい物語に不満を感じられる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、もはや中年の自分としては、大きな夢など現実では持つことも無く、今まで過ごしてきた人生を振り返ってみても、若い当時はそうは思わなくても、別に特別な何かなど起きてはおらず、成り行きに任せるように毎日を過ごし、起きるべき事柄をごく当たり前のこととして受け入れてきて、今後の人生も成り行きに任せていくしかない、現状を維持出来てこのまま死ぬまでの人生を逃げ切れればそれこそ十分と思ってしまう年代から観ると、本作品の「淡白な当たり前過ぎる何も起こらない物語」ほど、十分な説得力を感じ、肌にしみこんでいく感覚の作品はありません!「当然のことしか起こらず、特別なことは何も起こらない」だからこそ、本作品に非常に魅力を感じてしまいます!そして、自分が本作品の手法で、面白いなぁ~、と思ってしまったことは、家の内と外の会話の感覚・表情などです。やはり、当たり前ですが誰でも家の内にいる時と外で人と会う時・あるいは誰とも会うことも無く一人で外にいる時では、会話のリズムから表現の数まで全く異なってしまいますし、家の内にいる時の姿こそ装飾のない、その人自身の姿なのでしょう!そんな当たり前のことですが、本作品の淡白さの中で比較してみると、何かが起きるであろうと期待し家の外での表情をしてみても、結局特別なことは何も起こらずに、極めて当たり前のような時間がただただ毎日経過していくだけの本作品には、ある程度の年代に達していらっしゃる方々には、むしろだからこそ本作品を好意的に受け止めるであろうと思われます!今回の星の評価は、本当ですと自分の好みからだと星を5つつけるのですが、極めて日常的な物語であるにもかかわらず、自分にははっきりと判断できるような基準を持ち合わせていない、女性の立場の恋愛観が本作品にはありました。お恥ずかしい限りの恋愛経験からは、女性がそこまで男を愛せるのかは実際には知りません。そのような、極めて浅い恋愛観しか持ち合わせていない自分としては、自分の中だけでも確信に近いものを持って判断することは出来ませんので、こちらの劇団の方々には大変申し訳ございませんが、とりあえず現時点では星4つと個人的な事情で保留の星が1つある状態での、表向きの星の数とご理解ください!もはやこの年では極めて望み薄ですが、ひょっとしたら宝くじがあたる確立で、女性の恋愛観が理解できる時が来るかもしれませんので、非常に気の長い話ですがその日まで、保留の星1つの確定はお待ち頂けないでしょうか?今回は、極めて日常的な何ら特別なことが起こるわけではなく、当たり前のことが当たり前のように起き、たんたんと時間が過ぎていく、自分にとっては非常に心を許してしまう日常の時間経過感覚でしたが、女性の恋愛観が全く分からない自分がこれまでの経験からただ一つ言えることは、恋愛だけは多少深入りして自力で流れを変えない限りまず手に入れられない、と言うことです。もはや、自分はすっかり中年男に相応しい感覚を身につけており、自分の恋愛など望むことなく、むしろ若い男女をくっつけたがってしまう、そんな年代の自分は確かに本作品に納得してしまいます。ただ全く同じ流れに身を任せていても、身の回りが違った景色に思えてくるだけで、自分の気持ちの中でだけは確実に違った毎日が過ごせてきた気がします。