満足度★★★★★
「屁理屈シチュエーションコメディ」と言うのですね。多くの登場人物がごちゃごちゃ理屈をこねたり議論をするコメディ。主宰の冨坂氏の母校、千葉県立国府台高校を題材にした作品。代表作の『ナイゲン』の再来。『ナイゲン』では、開演前に「文化祭実行委員会資料」が配られましたが、今日は「卒業式 式次第」が配られました。それも学校側と生徒側の二通りの物。いや、芸が細かい。
「卒業式での国旗掲揚・国歌斉唱問題」、公立学校では、以前はよく議論された問題でした。若い人には一度は学んでほしいテーマです。そして、もし『君が代』を歌うとすれば、「♪さざれ石の」のフレーズで、「さざれ」で息継ぎをしないでほしいといつも聞くときに思ってしまいます。蛇足でした。
生徒が運営する文化祭実行委員会はどこの学校でもあるのですが、卒業式実行委員会って、実際にある学校もあるのですね。「全校生徒で決めた案の通りに準備する」、国府台高校は生徒の自治活動を大切にする素晴らしい学校なのです。いや、でしたかな? 勿論、このコメディは実際にあった国旗国歌問題を元にした作り話です。『ナイゲン』同様、個性溢れる様々な登場人物が面白い。最後までどんな結論になるかが見通せません。緊迫します。でも最後は上手いまとめ方でした。演劇によっては、若い観客と笑いのタイミングが合わない場合が私にはよくありますが、今日は若者と一緒に大いに笑えました。