満足度★★★★★
5人の役者さんの実体験・・・それぞれの記憶の中から、息を吹き返した過去の友達とそのエピソード。
ゲイであることをカミングアウトされた役者さん達中心のユニットとはいえ、そこに直接言及するのは5パート中「毎日楽しくしてくれた友達」と「性の気づきをくれた友達」の2パート。
そんな2パートも思わず応援したくなったり、思春期特有の芽吹きと苦みを感じさせる極上の作品。
時にはコミカルに、時にはアーティスティックに・・・全編を通して、彼らの何気ない日常の中から、とりとめのない心情ニュアンスまでも、きめ細やかに伝わってくる表現力には驚きの連続でした。
おそらく誰にでも、ひとつは身に覚えがありそうな記憶の断片。
私は2パート目「いつも応援してくれた友達」で、ずっとしまい込んでいた記憶が蘇り、心のひだに触れてくる痺れるような感覚と共に見入ってしまいました。
この公演を通して 何かと理解されにくい事情があったとしても、自身を表現する力量をもってすれば、素晴らしいコミュニケーションが生まれ、広がっていく可能性を強く感じさせられ、その力強さと繊細さに感動しました。