満足度★★★★
鑑賞日2018/02/18 (日) 14:00
座席1階H列18番
祝・虚構の劇団創立10周年!
2008年5月の旗揚げ公演「グローブ・ジャングル」にはまって初めて同じ芝居を3回観て、以来のファンです。
気付いたら10年経っていたのですね。初期メンバーが本当に好きだったので、仕方ないことだけれど、数人退団されたときは本当に寂しかった。
今回、鴻上さんは、今の問題として「シンギュラリティ」「AI」を取り上げ、そこに「天草四郎」を絡めてきたのも面白いです。
映像の脚本も含めて、ましてや戯曲の世界では、今のリアルなIT系の社会(会社)を描いている人は本当に少なくて、
そんな中で鴻上さんは現実のITを描いている数少ない人と思います。
(普通「クラウド」という単語すら出てこない。)
内容は、若さいっぱい、ダンスあり、笑いあり、シリアスあり、青春あり・・・
いつもの楽しい舞台でした。
主演の秋元さんの「天草四郎」の独特の時間を生きているような、ゆったりとしたところが印象的。
さらに、橘花梨さんの薄~く絶望的な、不幸な感じも何とも言えず良かった、
イケメンという予想と大きくかけ離れた三枚目で、めちゃくちゃ「圧」を感じさせてくれた一色さんもなかなかです。
メインに数人の客演を迎えると劇団員の中にも化学反応が起きて、劇団公演も新鮮になって良いです。
古参?の劇団員の方々は…
小沢さんは全体をぐいぐい引っ張ってって流石です。
小野川さんの「可愛いのにぶっちゃけたところ」がますますいい味で個性になってきてます。
三上さんは高飛車と残念のふり幅が面白くて、特に、森田ひかりさんの、前向きで明るくて伸び伸びしたところが大好きです。
今回、渡辺さんは録音音声の出演のみでしたね。
虚構も劇団員が変わっていきますが、初期からの人の活躍に、まだまだ期待したいです。
毎度のことですが今回も、今から次の劇団公演が楽しみです。
ただ、大事なワード「シンギュラリティ」をはじめ、
早口すぎて聞き取りにくいセリフが多々あり、
そこはきちんと観客に伝える技術をもっと意識してほしいと感じました。
「10年目の区切り」として、若さと勢いと楽しさの
次のステージを目指してほしいと感じました。