皆殺しの天使 公演情報 “STRAYDOG” Seedling「皆殺しの天使」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    鑑賞日2018/02/16 (金) 14:00

    座席1階2列2番

    STRAYDOGの舞台は、過去に拝見したことがあるけれど、“STRAYDOG”Seedlingとしては初見。

    いやあ芸達者な皆さんです。
    とにかく、テンポよく一切の淀みを生ずることなく舞台は進行していきます。
    今回はAチームを観たので、ヒロイン朱玲花を森岡里世あんが演じています。

    この朱玲花、日本語がよく判らない(というフリをしている)設定で、誤った日本語を使うだけではなく、ダジャレを連発する。「私」を「タワシ」と言うし、「ありません」を「アリマオンセン」と言う。幾つものこれらの表現を繰り返し繰り返し使う。その上、相手の日本語がよく判らないという設定だから、会話がかみ合っていないことがしばしばある。
    だから、通常の会話設定がなされていないわけで、これを破綻させずに演じ切るというのはよほどの鍛錬と才能がなければできないと思う。まずは、その点が素晴らしい。

    舞台は小ネタと情報量に溢れ、同じ設定のネタ(例えば「〇〇ー人名、ってもう死んでいるけれど」これに返しで「いやまだ死んでいない」というのも入る)がリフレインする。突然、漫才を始めたり、昔の歌(子連れ狼!とか)やコマーシャルフレーズ(あたりまえだのクラッカー」が頻出し、ダンスも披露。とにかく楽しいこと、楽しいこと。
    蘊蓄が多い人ほど楽しめる舞台だ。
     こうした舞台は、観劇者も気が抜けないし、役者さんの脚本への練度は並大抵のはずはない。ただただ、凄い。
     しかし、もったいないと思うことも幾つかある。例えば、アドリブだろうと思われるシーンが幾つかあるのだけれど(赤羽一馬さんパート)、当然、観客のうけを狙うだけに、それまでどんなギャグにも冷静に対応していた役者さんたちもつい笑ってしまうこと。これが楽屋落ちのようで、舞台の品を少し貶めているような気がしてならない。

    しかし、舞台として考えると、どうか、、、、




    ネタバレBOX

    主人公詐欺師の坂巻は、田舎で一儲けしようとするが、それが映画のオーディション。しかし、どうもオーデションの態をなしていない。この場面だけ妙に寒い。

    そして、コメントのように楽しいのだけれど、ストーリーが散逸してしまい。
    ラストでヒロインを殺し、主人公がその死に泣き叫ぶ、という落ちはちょっと安直に過ぎる気がする。なぜかというと、人間関係がよく判らないまま進んでいき(例えばドクターと朱の関係)、感情の交換場面が少なく(朱と酒巻を中心に)、そうなると朱の死が意味するところや、酒巻が慟哭する意味が分からない。

    もうちょっとストーリーの展開に軸足を置いて、一本芯を持たせる必要があったと思う。そこが残念至極。

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    2018/02/16 17:12

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