富士美町の朝日荘 公演情報 劇団サラリーマンチュウニ「富士美町の朝日荘」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

     今回は、来年十周年を迎えるサラリーマンチュウニの第3回番外公演である。ということで今回の演目は劇団外からも劇作家を招いてのオムニバス形式。大枠のコンセプトは訳アリ物件。但しロケーションと環境には恵まれた物件であり、名を富士美町の“朝日荘”と言う。(花4つ☆)

    ネタバレBOX


     ところで何気に聞こえる今作のタイトルだが、ここにも工夫があるのは流石である。富士美の「み」は“見る”の“見”では無く“美”であり、“朝日荘”の名からは、名曲「朝日のあたる家」が想起されるではないか! 内容は、このアパートに起こる奇々怪々を巡る6篇だ。
     一応作品名を挙げておくと1「歪みの向こうから」2「訳アリ物件の幽子さん」3「ぜ・く・し・い」4「物件No.48 誰か居る」5「生活音が聞こえる部屋」6「雨降る晩に」エピローグである。感心するのは、どの作品も捻りがあること。エピローグも洒落ている。エピローグへ向かう6人の脚本・各々の、特性を活かすと同時に上手く配剤している総合演出のバランス感覚の良さも光る。
     自分が最も気に入ったのは第6話だったが、先にも述べたようにそれぞれ捻りのきいた作品群である。
     ただ、6話に自分が感心したのは短編の中に演劇に必要な総ての要素が巧みに取り入れられ、物語の展開も非常に自然でありながら、人と人とが出遭うことの不如意から始まって、その必然性へともつれさせ、不合理でありながら、訳アリ物件というシチュエイションに登場するならうってつけのキャラを設定することで、在り得ない世界と我らの生きる世界を繋ぐと共に、不自然同士の間柄に誤解を埋め込むことで、人間的な普遍性を獲得している上にどんでん返し迄用意されて、完成度の高さをいやが上にも見せつける作品であった点である。
     楽日には、席が未だかなりあると言う。各自ネットで残席を確認の上、是非観て欲しい作品群である。

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    2018/02/09 13:24

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  •  みなさま
    最後まで、突っ走って下さい。
    残席が無くなるといいですね。
             ハンダラ 拝

    2018/02/09 13:26

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