満足度★★★★★
伝説の初演とかいう話を聞いて何か難しいものかと思っていましたが、ストレートに驚き楽しめました。田口トモロヲさんはナレーションのイメージとはまるで違うユーモアと迫力に溢れていました。寺島しのぶさんは二人の女性をあるときは区別し、あるときは曖昧に、片乳を出しての熱演です。柄本佑さんは最初の早口長ぜりふを見事にこなしながらも、田口さんに「DNAが…」「奥さんが…」とかいじられると素に戻ってはにかむなどベテランに押され気味でしたが好演でした。
後半では暴風雨ということで下手奥から盛大に放水があって、とくに上手前方席にはかなりの水が届きます。そのため休憩時間に前方席にはビニールシート(1m?x2m?)が配られます。放水を防いでも役者さんが溜まっている水をわざと蹴とばすのでそのたびにビニールを持ち上げて防ぐことを繰り返します。次回の公演のときには上手最前列が絶対のおすすめです(笑)。
内容については東京芸術劇場の広報誌「芸劇BUZZ Vol.22」P6から、演出の福原充則さんが唐十郎さんの作品に初めて出会った時の印象を引用しておきます。
* ここから *
躍動的で詩的な長ぜりふ、理屈では追いかけられないストーリー展開、思いもよらないスペクタクルな演出、生活感と妄想が一体化したビジュアルなど、静かな演劇とは真逆の世界が目の前に広がっていた。
* ここまで *
いやあ全く今回の私の印象もこの通りです。さすがにうまく表現するものですね。