滅びの国 公演情報 ロ字ック「滅びの国」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2018/01/21 (日)

    21日千穐楽の舞台を拝見(2時間半)。

    ヒロイン透子役の吉本菜穂子さん。登場時の、まるでコメディエンヌのような素っ頓狂な声に、最初は場違い?とさえ思えたが、終盤の感情爆発の怒号を経て、ラストシーンでの悟り切った穏やかな声への変遷を体験した今、そんな彼女だからこそ、作品世界にリアリティを与えていたように感じられた。
    対する相手役・祥示の三津谷亮さんは、W主役ながら、過度に前面に出過ぎて、透子とのバランスを崩すことのない堅実な演技。オクイシュージさん(透子の夫役)、東谷英人さん(祥示の父親役)と合わせて、この3人の男優さん達の存在感は、これまでの□字ックさんの舞台には無い、オトナ向けドラマな円熟味を作品に与えていたようにも思えた。
    ただ、反面、若い連中によるバイオレンスなシーンが何回か挿入されていたものの、□字ックさんの持ち味(と自分では認識している)である、観客の良識に剃刀で切りつけて来るような鋭利さが影を潜めたかなぁと。
    良い悪いは別にして、今回、□字ックさんに抱くイメージに、大いなる修正を強いられた気分だった。

    まぁ、いずれにせよ、2時間半の長尺も気にならないまま、終演後、いつまでも途切れぬオベーションの渦の中に身を委ねることに…。
    世代・性別・国籍を問わない、初めはささやかだった自己承認のストーリーの、ささやかながら力強い大団円に対する客席の反応には、ただただ頷くばかりだった。

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    2018/01/22 01:39

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