秘密の花園 公演情報 東京芸術劇場「秘密の花園」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    テントでも狭い小屋でもなく芸劇で唐十郎をやる。蜷川はコクーンでやったし駅前劇場で所狭しとやった木野花演出のもあった。小屋っぽい場所でやるのは正統、大劇場でたっぷりやるのも趣向、だが芸劇イーストでどうやって・・
    作品は82年本多劇場杮落としで初演、少し前の唐組テント上演がバッタ本の中でキラッと光った印象だったが、既成の枠に囚われない福原演出は、適役寺島しのぶを謎の女に配して、恐らく最大限頑張っていた。こうして見ると難しい芝居の世界だと思う。演出も演技も、唐十郎本人、あるいは唐の脳味噌を感覚的に飲み込んだ身体なら自然とやるのだろうそれを、折り目正しい現代俳優に精一杯寄り添わせ、再構成した手触り。忙しなくモード変転する台詞(照明変化と共に)、姿形が似る二人の女の彼女はどちらなのか次第に不分明になっていく過程、そこに絡む奇妙な人たちの奇行・・難物に挑み、現代的な処理もされ笑いを取っていた。

    ネタバレBOX

    よくやった、と思うが、ここまでやれば最後は屋台崩し(正面にある部屋の壁が取り払われる)を期待してしまう。音量等の最大値を、このラストに持って来るのが正統であったが、今回はラストを哀感漂う情景で閉じくくった。苦肉の策とも言えようが、その構成も、形としても、もう一段上がほしかった。

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    2018/01/15 09:00

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