ぼくらの90分間戦争 公演情報 企画演劇集団ボクラ団義「ぼくらの90分間戦争」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    10周年という記念公演での挑戦的な舞台。
    劇団の新たな一面が見れる内容になっているように思える。

    いつもは長尺の舞台も今回は約90分ということで不安視していたが、急かされたりついていけなくなるような事は一切無く、ストーリーとして綺麗に纏められていた。
    希望としてはこれからも2時間程度に収めて欲しい。
    決められた時間の中で十分なものを見せられることはこの公演で証明できているのだから。

    演者にとってはストレートに力量を試される公演であり、かなりの緊張感がある。
    一人一人の演技をしっかりと見ることが出来る良い舞台だと思えた。

    古くからのファンには新たな一面を提示するような内容なので一度は見て欲しい。
    この公演を劇団公演として初めて観る人には次の公演も見て欲しい。
    そんな風に思えるような内容だった。

    ネタバレBOX

    この公演が挑戦的であり実験的であることは十分伝わってきた。
    劇団の「定番」を削ぎ落とすような内容。
    笑いどころはほぼ無し、音楽も最低限、ほぼ無音のストレートプレイ。
    「これまでとは違う」ということと10年での成長を見せる内容であったことは理解できたし評価したい部分である。

    ただそれによる弊害が少し大きいように思えた。

    一つは観た後の後味が悪すぎること。
    今回のような作品はどちらかと言えば好きなのだが、それを10周年の公演で見たいかと言われれば「否」である。
    しかも約1ヶ月のロングラン。何度も観たいかと問われると足が重い。
    また打ち出す時期も悪かったように思える。
    年末年始の華やいだ気分で迎えたい時期に、この救いようの無い残酷な話は観たいとは思えない。
    別時期での1週間程度の公演であればまた違った見方ができたかと思う。

    約90分という時間も良い面と悪い面が垣間見えた。
    いつもより上演時間が短いということで観劇のハードルは下がる。
    初見の人間も足を運びやすいかと思う。
    しかしこの尺で簡潔に収まっているからこそ、1回の観劇で十分と感じさせてしまう。
    一度見ただけでストレスを感じさせないのは見事だと思うし、それが観客にとって優しいものであるとも思う。
    しかしこのストーリーと観劇中の疲労感を思うと「もういいかな」と思わせてしまう。
    そこが残念に思えた。

    後述するのは個人的な印象になるが・・・
    観客を焦らす時間が少しだけ長いように思えた。
    「何があったのだろうか?」と思わせる時間が長く、徐々に何を見せられているのかわからなくなっていく。
    いざ蓋を開けてみると大した秘密でも無いことがわかり若干の肩透かしを食らう。
    (大したこと無い、というのが中学生の幼さを表しているのは分かっているのだが・・・)
    ほんの少し短い方が良かったかなぁという印象。

    あとは最後の「その後」の描写が蛇足に思えて仕方が無い。
    徹底的に絶望的なラストにするなら部屋から全員いなくなりドアを閉め暗転、の方が美しかったように感じる。
    「その後」を描くなら別の手法の方が良かった気がする。

    万人の意見に応えることは難しいとは思うが、様々な意見により良いものが出来ることを期待したい。
    そろそろ帰り道を晴れやかな気持ちで辿れるような話が観たい、というのが個人的な希望です。笑

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    2018/01/08 21:55

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