満足度★★★★
試みとして非常に面白い
桂九雀が企画して大阪では4年前から演っているという「噺劇」、東京での初上演とのこと。落語作品を舞台化したものはAGAPE Storeの『地獄八景亡者戯』(02年)やG2プロデュースの『地獄八景‥浮世八景』(07年)があるが、それらは装置を使って「演劇」にしていたのに対してこちらは装置はなく小道具も扇子と手拭いだけ、BGMも三味線と太鼓の生演奏とかなり落語寄り。
が、それだけにラストが落語本来のサゲの一言でスパンと決まる潔さに欠ける難点もあるものの、試みとして非常に面白い。
噺劇2本目の「芝浜」なぞ、3年の経過を語る地の部分をどうするのかと気をもんでいたら女房の1人語りにするというテを使っておりそのあたりの工夫も見事。