サマータイムマシン・ブルース 公演情報 妄烈キネマレコード「サマータイムマシン・ブルース」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    "面白いこと"が全てに優先するコンパ的集団心理の妙。生産性のカケラもない馬鹿騒ぎっぷりがまさしく大学サークルの在り様を体現していて、本当に楽しくて面白くて…そして懐かしくて、愛おしくさえある。
    歳食った人の方が沁みるんじゃないかな。ハイテンションの舞台を眺めつつ、私にもこんな時代があったと…頭の中ではSTMノスタルジーが展開していました。

    以降はネタバレboxへ

    ネタバレBOX

    (続き)

    「研究をしないSF研」という設定が、SF要素をあくまでモチーフと割り切っている本作を象徴。
    エンタメ性と意外性を最優先にしたダイナミックな展開に、役者陣が見事な触媒の役目を果たした。

    定石の「元の時間に戻る」ことに拘らない大胆さも面白くて、とにかく繋がってればいい!的なパズル感が愉快。人間もリモコンと扱いが同じ!
    過去は変わらない、未来は変えられない…説が印象深い形で使われ、照屋が救いの解釈を示すけど、元の説でも「人の努力」抜きで運命が決まるわけじゃないと思う。天は自ら助ける者を助く、かな。甲本の最後の発想は幼いけど、ほんのり安らぐ結末。

    AB通すと、Wキャストで性格が結構変わっており、尚且つ微妙に人間関係に違いが生まれている感覚があって、パラレルワールドを思わせた。

    年長キャラの照屋は、ABともに集団を見守る役割を果たして、他のハイテンションの動を受け止める…静のアクセントとなり、かっぱ伝説の語りや甲本を諭す等、見せ場多し。この重要キャラがABで一番色が異なる。
    Aの松本さんが歳というNGワードに反応する等の人間らしさを残すのに対し、Bの藤さんは何か超然としたところがあった。自分のことはさておき、ただ集団を眺めて楽しみ・慈しむ雰囲気があり…なんというか…この部室の座敷童・守護神の様でした。カッパの頃からここに居て、25年後も実は居るんじゃないか…って気がしますね。童顔とのギャップも効いていました。

    柴田も、Bの佐伯さんは「パピコをあげる」くだりで、甲本の今後に期待を抱かせる…なんか異性の心情が醸されていたが、Aの藤崎さんからは「脈無し」って空気が窺える。天真爛漫で同性の友達と話す様な屈託の無さが…良く動く表情から滲んでた。

    伊藤は抑え気味の普通の娘なのに、AB共にクセ者役者の印象が強い役者が充てられ、キャスティングの妙を味わう。「カッパの首をかっぱらう」に対し…高木さんがマジウケ感あったのに対し、はらみつさんがジワジワうけてくる反応の違いが印象的。

    甲本・タケジュンさんは、頭の血管が心配になるほどキレてましたが、最近各所でも見慣れていて安定のキレぶり。それとは一転して、Bのパピコ握りしめて嘆息する辺りは新鮮かつ良い芝居でした…好み。

    新美・吉田さんはバッカスに引き続き…今年2度目の時間旅行。
    一番ウケたのはBの「俺が行きたい時代はエロ時代だ」ってトコ(笑)
    「君はこの世界の住人になれ」と…何か漫画か映画で聞いた様な台詞をナチュラルに吐いたりする性癖など、漫研出身としてはすごく共感する(笑)

    小泉・坂口さんは派手さとダイナミックさが印象深いけど、一推しは…おそらく自分の観た回にだけ出現した…奇跡の「面接のバイト!」発言(笑)

    曽我・森さんは、終始弄ばれ身悶えする怒涛の好演が光った。ユニセックス感のある彼ですが、…幾度もお姫様抱っこされる姿が目に焼き付いた(笑)

    石松・ぴょんさんは、独特の価値観がその風貌にも相まって際立ちましたが、Bで丸椅子アートを完成させたのが印象深い。千秋楽では4つ積み重ねると豪語してたけど、どうなったのかな。

    小暮・後藤さんはSF研の理性という立ち位置を終始クールに好演。一度切れるトコも見たかったが、タケジュンさんが全部持ってったね(笑)

    田村・福田さんは、そのSF顔(笑)を活かし、未来感あふれる髪型でで未来人を演じましたが、口調が妙に昭和なのがウケる。色んなトコにギャップを作って楽しませてくれました。

    結局、全員分語っちゃった。あ、ケチャ…

    ケチャはええやろ(笑)

    最後に…タイムマシーンの効果音が好き。古いエレベータを思わせる〆の音が特に。

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    2018/01/06 01:21

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