満足度★★★★★
運命は神が決めるのではなく、人が決めるのだ。
「戦争の門」は人の手によって開かれる。
それを人は押しとどめることができるのか。
ジャン・ジロドゥによって第二次世界大戦前夜に書かれた戯曲が素晴らしい。
彼が大戦前夜に感じたであろうヒリヒリ感が、トロイ戦争のそれと重なる。
戯曲のタイトルもとてもいい。
どの台詞も重く示唆するところは深い。
舞台上ではエクトール(鈴木亮平さん)とオデュッセウス(谷田歩さん)の対決に鈍く火花が散る。
ラストの演出は少々外連味すぎかも。
バイオリン一挺の生演奏もいいのだが、休憩前の1幕の終わり、バイオリンがまだ鳴っているのに席を立つ観客が多かったのは残念。
鳴り終わるまで1幕ではないのか。