無風 公演情報 オイスターズ「無風」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    無風… うん、これ、むっちゃ好みのやつや。不条理感漂わせながら、思わず法則性を探してしまう… 引き込まれる感。旬の女優7人体制というのがまた美味しかった。
    かなしくて^2も中之島からパワーアップ。女マネに注目(=゚ω゚)ノ

    以降はネタバレboxへ

    ネタバレBOX

    【無風】
    冒頭…一人芝居。ト書きを読む様な曲者な台詞…観客の反応を試すような、戸惑わせる台詞…文の最後で流れを覆す否定語句の濁流… 意味を成さなくなる説明・動機・前提句…

    へそ曲がりの言葉遊びと化す台詞の数々に、いや増す不条理感を醸す前半の展開でしたが、…訳も分からず、クルクルと入れ替わる「数多くの舞台」の存在を想起させたところで… 言葉中心の世界から一転!…物語は記号化、メタ化される。

    舞台の四隅にはドアが模され、他空間(舞台)とリンクしている。ドアから外へ出ると他の舞台に出るらしい。
    そして入れ替わりに、反対側のドアから他の役者が現れる。やはり他の舞台から来たらしい。入れ替る役者は別人なれど、同じ役を課されている。

    各々単独行動だった役者達は、出入りするうちに…あるパターンによって、まるで増殖する様に同じ舞台に邂逅を果たす。徐々に遭遇は増え、役者は集まり、コミュニケーションを始める。増殖の規則を探る役者たち。まさしく暗中模索の態。

    表面的にはコメディ感を漂わせ、試行錯誤を重ね、周囲の空気を読みながら右往左往。あたかも脚本の意図を探る役者の制作過程の様でもある。その奇妙な繋がりに、自分が…何の舞台で、何の状況下で、何を課されているか分からなくなってくる役者たち。

    アイデンティティを失う恐怖から遮二無二逃げ出す役者たちが、遂には舞台をはみ出し、劇場の表裏を縦横無尽に駆け回る様は、今までに無い面白さ。七人七様の反応と狼狽が楽しい。これを新進の女優7人で構成するのはあざとくもあるが、素直に美味しいし、嬉しいね。

    7人並ぶと、相対的に川上さんの声の張りは印象的でした。

    一人クールに法則を探っていた藤島さんが、持論が崩壊していくとともに、…徐々に多数派にすり寄り…「その他大勢」に変わっていく過渡は好きなトコ。

    さて実は、登場人物たちと同様、本作の意図するところを掴み切れずに、未だ頭の中で右往左往。

    思わせぶりなトタバタ・ダークコメディとだけ受け取っても極めて面白かったけど、…平塚さんだから、やっぱ何か深意を窺ってしまうんだよね。

    前半で提示された…言葉遊びと多数の舞台を、記号化して俯瞰しているのが後半だと思っているのだけど、メビウスの帯として完結する(しない?)構成は、シニカルに徒労を指すのか、…同じことを繰り返すコミュニティを揶揄しているのか。
    いや、繰り返しは必ずしも悪では無いか…

    行きつ戻りつ、行く先を誘うもの無い「無風」の中で、自己を確立せんともがく、芝居作りの地道さ、積み重ねの象徴であるのかも。

    … 我ながら、迷走だぁ…

    【かなしくてかなしくて】
    中之島の時から脚本に対する感想は変わりませんが…今回、女マネの山本一樹さんの怪演は素晴らしい!
    やはり、これが本来あるべきキャスティングだったんじゃないかと思う。
    中之島の川上さんは、この役やるには可愛いすぎる。これでこそ、中尾先生の罵倒が活きるってもんです。

    そしてこの芝居、やっぱり最後は、「芝原さん、お疲れ様…」って思っちゃいますね。
    何気に水の勢いが増してて、中之島からのパワーアップを感じました。

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    2018/01/04 23:39

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