満足度★★★★
原作を損なうことなく舞台に載せてあり、改めて名作だと感じた。
17歳真理子は台詞の硬さが却って清潔感を感じさせ、42歳真理子は意志の強さの中に可愛らしさが見え隠れしていた。
初演とは違う場面で涙が出て、自分の年の重ね方にも思いを馳たり。
10代の心はとても鋭利で自分も周囲も傷つけがちだ。
年を重ねると入れ物と一緒に心にもいろんな物がくっついてくるのはある意味自衛手段だよな、と思う。
くっついた物がクッションになって、わたしは少しだけ楽になれている気がするのだ。
そう思うと真理子の状況の過酷さは想像して余りある。
「思った程酷くない」という台詞で笑った人たちも、いつか時の残酷さを身を以て感じることがあるのだろうか。
それとも、我が身は埒外と思い続けるのだろうか。
自分は新田くんのように魂を見つめられる目を持ちたいなぁと思わずにいられない。