満足度★★★★★
①千秋楽。今日的なテーマを、芸能事務所というフィールドで展開する設定は興味深い。政治批判や言論統制、恋愛禁止や枕営業まで話題は満載だ。その豊富な話題は好奇心を刺激するため、逆に物語の散漫さを孕んでいる気もする。話題も登場人物も整理し、リライトされた再演を観てみたい。
②沈黙は同意だ。声を出さなければ何も伝わらない。自我が強くなる中学生に気持ちを語らせるのは難しいが、言語の授業をする以上、それ無くして先へは進めない。長い時間をかけて殻を破らせる…いやこちらから割ることも時には必要になる。一朝一夕には変わらない大きな壁がある。
③人としての、会社としての、正しいあり方を問う告発者を安藤瞳さんが好演。彼女は戦うというより、人は変われると信じている人なのだと思う。だから、最後に信念を曲げる覚悟を決めた彼女は痛々しく、それまでの凛々しさはみる影もなく切ない。彼女が正当な勝利を手にしたと信じたい。