満足度★★★★★
あの宗教組織による弁護士一家殺害事件をモチーフに、一見ロードムービーのようでいて、実はある種の閉塞感を描いていたように思える。
とにかく鐘下辰男氏による戯曲が面白い。4人それぞれが語る過去。教団での位置付け。修行。互いへ向ける感情の動き。
ヒリヒリする緊張感と行きつ戻りつする時間軸。4人の感情の動きに合わせて観客も揺さぶられ続ける。
舞台上で音響や照明を操作する演出も面白かった。
約2時間の芝居が終わって劇場を出る。濃密な空間から解き放たれて、思わず伸びをして深呼吸する。
駅までの道を急ぎながらも、ヒリヒリするような緊張感が心地よく肩のあたりに残っているような気がした。