満足度★★★★
舞台上には、白一色の美術や小物たち。
東京に憧れつつ、家族や恋人との制約の中、地元で働き事故で亡くなった姉と、東京で姉の夢だったパティシエの修業をする妹。
繊細な会話と緻密な構成による短い場面の積み重ねが時間の経過と人の想いを浮き上がらせる。
姉の同級生だった青年はシェフとしての腕を上げ、ミュージシャンを目指す若者は着実にヒットを生み出していき、映像作家のタマゴは作品が賞を取ったりもする。若者たちが夢に向かってもがく様子もやや甘やかに描かれていく。
それぞれの暮らしの中で繰り返される出逢いと別れ。
取り戻せない想いを割り切れないまま抱えていく人々の姿が胸にしみた。