満足度★★★★
鏡の世界についてのパフォーマンス劇とでもいうのでしょうか。普通の演劇ではありません。ネタバレしても問題はないものなので少し内容を書いてみます。
舞台中央には鏡を想定した大きな木枠があり、こちら側には冷蔵庫やテーブルが置かれています。まずは首藤康之さんが一人で登場し、鍛えた身体で見事な腕立て伏せを見せてくれます。電話をしてピザを注文するなど次に展開する出来事の一人版を見せてくれます。
いつの間にか向こう側には鏡に写ったようなセットが現れます。そして近藤良平さんが登場。ここからしばらくお二人の鏡シンクロとなります。最初はダンスも完全にシンクロするので感心していると、徐々に形を崩してシンクロしたりしなかったり様々なパターンを試して行きます。言葉の鏡の像あたりから遊びの要素が増えて行きます。
次に、ピザ配達人の長塚圭史さんとその鏡の像である松たか子さんが登場します。ここからは外見とか性格とかの概念的な鏡の像(というより反対の概念)が考察され、そして二つの世界は融合したり分離したりと想像の幅を広げて行きます。
子供さんにはハードルが高い気がしますが、お年寄りの笑い声は起こっていました。
内容的にはもうひとつですが、役者さんの「顔」がそれを埋めてくれます。