満足度★★★★
若干甘口で賛否両論かも?
チラシで主人公が余命わずかだと宣告を受ける旨が明かされており「そもそもその設定が卑怯じゃん!(笑)」とか思いつつ観て、事実卑怯ではあった(爆)が、もう1つアタマをかすめた「かなり泣かされそうだな…」という思いは杞憂に終わる。
お涙頂戴にしようと思えばいくらでもできるのにそうせず、湿っぽくならず、残り少ない生を精一杯生き、会社の後輩やかつてのバンド仲間たちなどを逆に勇気付ける主人公の姿をどちらかと言えばサラリ、淡々と描いてサワヤカ。
あくまで個人的な印象で言い切ってしまえば、黑澤映画『生きる』に近い感覚かも。もちろんあんなにシブくなく、笑いも多くて若々しいが、根底に流れるモノが共通、みたいな。
ただ、安易に奇蹟を起こしたりしないのも個人的にはイイと思うし支持するが、その結果、両親を亡くした時のショックから小学生のまま心の成長を止めてしまった妹がそのままになってしまうなど、投げっ放しと感ずるムキもあるかも?
なお、別れたハズの婚約者が部屋にいるシーン、プロポーズのシーン、妹が「今はハンバーグはいらない」と言うシーンなどがツボ。