~ 上海ラプソディ ~ ミステリアス・ミス・マヌエラ 公演情報 サンハロンシアター「~ 上海ラプソディ ~ ミステリアス・ミス・マヌエラ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2017/11/30 (木) 19:00

    座席1階1列

    どこまでをここに書いて、どこからネタバレとするか迷います。

    まず、多くの観劇者が、このフライヤーに惹かれて、少ない説明にそそられて足を運ぶ(運んだ)と思います。戦前の上海租界の魅惑に溺れたいがために。

    確かにその魅力は十分に舞台で表現されています。
    マニュエラ役のYOSHIEさんは、フライヤーを飾っているとおりに妖艶で魅惑的です。
    ベリーダンサーとして、舞台を縦横に舞います。
    李香蘭を再演する田宮香苗さんの歌は、ミュージカル女優ならではで十分に魅了されます。そして2役となる川島芳子の軍服姿で演技は、短いながらも彼女の悲劇的な運命を感じさせてくれます。

    劇作の長い中盤を占める上海での情景、よく雰囲気を醸し出していて、舞台の大きさや予算のことを考えれば非の打ちどころがありません。むしろ、豪華絢爛です。しかしこの舞台の骨格はそこにはありません。

    マニュエラの物語でも、ましてや李香蘭の物語でもないのです。
    これは1人の作家ないし編集者の物語。

    「現代日本と戦前上海とを行き来する」と説明がありますが、現代日本とは老人介護施設。登場人物たちの立ち位置はまさにミステリアス、でもこの幻想譚はそれなりの方法で伏線を回収し、カタルシスを開放してくれます。

    これ以上はネタバレですね。ストーリーとしてはもちろん楽しめますが、上述のような上海を味わいたければ、できるだけ前で、かぶりつきで観るべし。

    ネタバレBOX

    冒頭の数分間、男女の編集者2名が出てくるシーンは何だったのだろう。
    あれは、男性編集長が自身の老婆を連れてくるシーンだった(つまり、老婆と自宅で話しているシーンは回想していることになる)のかな。
    だって、老婆はこの物語の主人公の女性編集者なのだから。
    その老婆が恋焦がれる嘱託医が、件のインチキ占い師こと現代と戦前の上海を行き来する小説家、つまり双子の兄と同じ江口信さんが演じているのは、うまい配役だと思った。

    ただし、男性編集者を介護施設に登場させるために、例の介護施設での大量殺人事件を引用したのだろうけれど、あまり味の良いものではない。もっと、サックリ描いてもよい気がした。

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    2017/11/30 10:48

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