満足度★★★★
月が2つ見える人集まれ! ネット上にこんな内容のフレーズが踊った。半信半疑で決められた日時・場所に三々五々集まった面々。それぞれがそれぞれの事情を抱えつつ、定かならぬが、見えない糸で繋がれたかのようにぽつり、ぽつり、と各々を騙ってゆく。何か裏がある、と疑う者が現れる。新興宗教の教祖狙いの者が現れる等々幻視者に対する「真っ当」や作為が対置されつつ物語は展開してゆくのだが、問題は所謂現実家なる者達の主張することもまた我々の暮らす現実の不確かさの一環を為しているのではないか? ということなのである。その有様が、丁度炙り出しの映し出すいくらかぼんやりした不確かさの怖さとして寓意の形をとって表されている。(若干追記2017.11.28 )