穴ザワールド 公演情報 発条ロールシアター「穴ザワールド」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    観劇は自身を劇場に置き、様々な情報を全身に受けて感じるエンターテイメント。
    そういう意味で受付けから劇場を後にするまで一貫した手作り感はとても心地よく楽しい。

    ストーリー的には、観ているリアルタイムもさることながら、観終わって余韻に浸りつつ場面の数々を反芻している今、咀嚼タイムが面白い。
    「穴」で結びつく奇妙な関係。
    気のいい大家さんを巧く(?)はぐらかし生き延びる、そんなおじさん達の刹那な蜜月タイム・・・じわじわ沁みてきてます。

    ネタバレBOX

    「明確な理由・目的」がなければ行動に繋がらない私からすると、穴掘りおじさんの“ロマン”に気付くのがちょっと遅かった。
    理解したうえで観ていれば数倍映えるシーンがあったので勿体ない事をしました。
    一緒に観た同行者は彼の欲求心情がよく分かると力説するので、ちょっと口惜しい。

    停電の中、おじさん3人と娘が過ごした怪奇で滑稽な蜜月タイムが絶妙な本作の肝。
    (あのしりとりはアドリブ?際立って自然ななごみ感があって印象的)
    徐々に大きくなる不穏な外界のノイズが、この奇跡の時間を破壊するであろうとイヤでも予見させるので、より輝いて見える時間でした。

    どう見てもクズの部類に属する父親に、どうして娘がこんなに寄り添ってくれるのか納得できるものが冒頭に描かれていると据わりが良かったかも。
    ちょっとしか出番のなかった郵便屋さんと電気屋さん。外界の人としてもっと出番があってもよかったのに・・・と思うものの、これもひとつの手作り感かなーと。

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    2017/11/19 03:01

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  • ハードな公演、本当にお疲れ様でした。
    緻密に計算されつくしたタイプの作品というより、人間の説明しようのない「渇望」の塊が観る者の心に爪痕を残す、そんな作品として楽しませていただきました。ありがとうございます。
    則末さんはロマンが分かる側かと作品を観て思いましたが違ったのですね、意外でした。
    でもロマンを持った人を愛しく思う方なのだろうと改めて(勝手に)納得したりしています。
    個人的には心を鬼にして(笑)、則末さん(大家さん)が世間の権化として彼らを迫害する側にまわっても良かったのかなと。
    世間が彼らにとって暗闇であるほど彼らだけの空間は、より輝いて見えることだろうと思えるからです。

    2017/11/27 11:46

    この度はご来場ありがとうございました。
    いろいろと感じながら観ていただけたようで、創り手としてこれ以上の幸せはありません。とても嬉しいです。
    穴掘りおじさんのロマンは自分のことのように実感できる方と、まったく実感できない方とに分かれる話だとは思うのですが、もうひとつ「実感できないけどわかってくれる人」というのは彼にとって喜ばしい存在だと思います。ちなみに私は、実感はできないけどそのロマンをわかりたいなあと思うタイプです。

    停電中の特別な時間は私も大好きな場面です。しりとりはアドリブでした。
    娘の描写の件、外界の人々の件、なるほどなあと思いました。今後の作品づくりの参考にさせていただきます。
    コメントありがとうございました!

    2017/11/27 09:30

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