静かな爆 公演情報 東京タンバリン「静かな爆」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    あざとさ乱れ撃ち。
    最初から、あざとい演出と台詞の数々にやれやれと思っていた。
    しかし、だんだんに高井浩子の思惑にハマってくる自分に気づく。
    あざとさも過ぎると強固な作品になるのだなぁ。

    13人のキャラクタの切り分けも見事なもの。
    「この人いいなぁ」「こいつ嫌い」とこちらでも切り分けしやすいくらい。
    逆に言えば、類型的に役割を割り振っているわけで、
    そのへんも変にあざとさを感じる要因となっているのかもしれない。

    何よりも音や言葉について、思いをめぐらす時間が必要なのかもしれない。
    そのやんわりとしたメッセージこそが、この作品の面白さだろう。

    ネタバレBOX


    高井浩子は柔らかい露悪が巧いんだろうな、と思う。

    聾唖者の○○さんというキャラクタが、説得力ある形で存在している。
    ただ、少しばかり善人に仕立て上げすぎたのではなかろうか。
    そして、健常者を少しばかり悪人に仕立てすぎたのではなかろうか。
    なんというか、「聾唖者の方がいい」というニュアンスさえ取れてしまう。
    流石にそこまで観客のリテラシーが低いとは思えないが、
    そのへんのバランス感覚が少し偏っているように感じられた。
    偏っているくらいが物語として成立することはわかるんだけれど。でも……。

    個人的にはブログの話がかなり興味深かった。
    他人の方が、自分の家の状況を知っている、ということが有り得るのだ。
    なかなかに痛快なエピソードで、夫婦の問題にも切り込んでいる。

    「柔らかい」という接頭語がつくものの、高井作品は本当に露悪的だ。

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    2009/02/06 23:43

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