満足度★★★★
超口語調とでも言うべき普段使いの台詞がおぞましい程のリアリティ。それでいて芝居の重要な展開部分はきちっとした演技でまとめてくる構成がえらく面白かった
雲がかった物語が円環を描くうちに観客もいつしか気付いている過去へ進んでいく巧みな構成。
それはいつしか何でもない物語になっていくのだと。
小西耕一さんの声やしゃべり方、キャラは中毒性が高く、役者一人で舞台のテンポや色彩を変えられるのって凄い
土橋さんの良さは青春の綺麗なキラキラを漉き集めたようなイノセントな存在感だと思っているんだけど、過去と現在の対比の場面でその良さが効果的に使われていた印象。何でも無い現在が戻るべき未来なのか進むべき過去なのか、白い制服の土橋さんが印象的だった
この作品を観て以来「サマーヌード」がずっと、こめかみから額を巡る円周上で疾走し続けている。
残酷にキラキラと光る夏の物語がメロディとともに胸やけのように反芻を続けている。