満足度★★★★
久しぶりの帝国劇場、大人数の俳優、豪華衣装、大音量という物量だけで気分がハイになってしまった。
歌が多めのミュージカルで踊りは少ない、というか踊りらしい踊りはなかった。
音楽は雄大で、歌はもちろん皆さん何の問題もなく素晴らしい。
ただし、私は主題になじみがなく、いかにも作り話というところもあって、なかなか世界に入り込めなかった。いつも思うのだが、ミュージカルファンはストーリーにはあまり興味がなく、個々の歌や踊りに熱狂することが多いのではないか。そういうことなら大満足で星5つになるだろう。私はそういう境地には全く達していないのでストーリーが気になってしまう。調べたことをメモとして以下に書いておく。
物語は主に異母姉のメアリー1世の即位(1553年)から病死、そしてエリザベス1世の即位(1558年)までを描いている。
エリザベス1世は1603年までという長い期間在位して実績がある一方でメアリー1世は短い在位期間に宗教弾圧を行い「ブラッディ・メアリー」という悪名をカクテルに遺している。
そういうわけで、この「レディ・ベス」のような物語が作られ、悪のメアリーと善のエリザベスという記述になってしまう。
しかし、終演後ウィキペディアを読んでみると、メアリーもまたエリザベスの母アンから毒殺未遂を含む同じような迫害を受け、また民衆に支持されて即位したとあって、印象は一変した。
イギリスの人はそんなことは百も承知なのだろうが日本人がエリザベスとの関係だけを見て「メアリーはひどい」と思うのはどうかなと思った。むしろメアリー1世の一生の方が人間の深い物語が描けそうな気がする。
まあ。誰が良い悪いというより身分の高い人ほど自分の地位そして命を守るために必死であった時代ということなのだろう、と安易にまとめておく。
近くのおばちゃんが言っていたけど帝国劇場のB席は確かにお得だ。