満足度★★★★
席に着くと目の前に実家の居間もこうだったと思い出させるセットが広がっていた。
床の間があって(おそらく安物の)掛け軸が下がっている。
庭に面した縁側を左に進めば便所があり、右は玄関や台所に通じている。
居間の中心には電話があり、端っこにはTVが置かれている。
前半は、頑固おやじが娘の縁談に反対するという昭和名物の話だ。
後半は登場人物が増えてのドタバタである。
言い訳をしない昭和のお父さんは人間性まで否定されるが、最後はもちろんお約束のハッピーエンドとなる。
団塊の世代は暖かい気持ちに浸れる作品である。
ベテラン俳優さん達の上手すぎる演技は「うちの近所にもあんなおじさんやおばさんがいたなあ」の連続だ。若手のオーバー・アクションが若干気になったが、あれも昔の演劇の再現を意識したものと合点した。
まあしかし、SLを動態保存しているような演劇であって創造性に欠けるところは減点1か。